バリアフリー字幕制作のガイドライン
字幕をつくる際の基準はあるの?
「翻訳字幕」「バリアフリー字幕」の制作に関する公的な基準(仕様書)のようなものは、実のところ、どこにも存在しません。
各映画会社やソフトウエア会社、テレビ放送のクローズドキャプションなどは、会社ごとや制作担当ごとで独自に作成した基準と判断で運用されているというのが現状です。
この記事では、映像内容に負担をかけず、できるだけ見やすい字幕とするために必要なことを中心にしてまとめています。
また、字幕は映像上の表現や言葉の伝達を手助けするというコミュニケーション手段の延長上にあるものです。技術規準書や工業規格書と同じように捉えて、本内容によって良い字幕の正確な再現を期待しても決してうまくはいきません。目的や本来必要なものが何なのかを制作者が理解しているからこそ、見る人に役立つ字幕が生まれるのです。
目的や意図を持たない、あるいは技術面だけに縛られたルールや仕様決めは、多くの場合、本当に字幕でのサポートを必要とする方々にとって不利益になることが多いことも、ご理解いただければ幸いです。
基本事項
一般的に、ビデオは30フレーム/1秒 映画は24コマ/1秒 で構成されています。
(1フレーム=約0.03秒 1コマ=約0.04秒となります)
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使用漢字は基本的に常用漢字とし、かな送りなどは本則とします。
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常用外漢字でも、固有名詞や専門用語に関してはルビ対応でそのまま使用することもあります。
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音に頼れないため、同じ漢字でも、字幕中に読み方が異なるものが混在する場合は、読みやすさを考慮して、一方をひらがな表記にするなどの工夫が必要です。
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既存の歌詞や他の既存文章からの転記した内容の場合、その部分の表記は全体とは別と考えて、原文の文字遣いをそのまま使用することが多いです。
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表記基準に迷ったときには、市販の用字用語集を参照するとよいでしょう。(「朝日新聞の用語の手引き」、「NHK用字用語辞典」「共同通信社記者ハンドブック」といったものが発行されています)